葬儀に限らず物やサービスを
販売する時には
様々な心理学を応用している
場合があります。
今回はその中のひとつである
コントラストの原理を
影響力の武器という本を参考に
考えてみたいと思います。
本によるとコントラストの原理とは
2番目に提示されているものが
最初に提示されているものと
かなり異なっている場合
それが実際以上に最初のものと
異なってみえるというものです。
まずは高額の商品を先に見せます。
そうすることで次に提示された
商品が非常に安価に思われるのです。
先に提示する商品の価格次第で
同じ商品でも高くも安くも感じ
させることが出来るのです。
そのため先に見せ筋の高額商品を
提示して売りたい商品は
2番目にもってくるのだそうです。
葬儀の打ち合わせに置き換えてみると
最初に高額なプランなり祭壇を
提示します。
その次に売りたい価格帯のプランなり
祭壇を提示します。
最初に高額のものを見ていますので
次に提案されたものが費用を抑えたように
感じられ選ばれやすくなります。
ちなみにこの方法にはもう一つ
効果があります。
ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック
と言われるもので
最初に受け入れられない大きな要求を出し
拒否されたら売り手がもともと売りたいと
思っている要求を出します。
買い手は2番目の要求を自分に対する
譲歩だと感じこちらも譲歩しなければ
という気にさせ受け入れさせます。
コントラストの原理を使い
その次にすることはオプションの提示です。
湯灌や祭壇生花、霊柩車、柩、仏衣、骨壺
などのグレードアップをおすすめします。
葬儀プランで数十万~の金額を
提示された後なので
グレードアップの数万円は取るにたらない
金額のように思わせ
ここに言葉を添えていきます。
・最後ですから
・一般的にこのくらいは
・故人様が恥ずかしくないように
などなど
最終的な金額は大きく跳ね上がりますが
自分が選んだことなので
誰を責めることもできなくなります。
もうひとつよくある手法に
日本消費者協会調べの全国平均を載せ
自社の費用が良心的であると
宣伝していることもありますが
同じ原理です。
そもそも、葬儀は
直葬、家族葬、一般葬なのかや
どのグレードの返礼品を用意するか
または地域の方まで食事を用意するのか
宗教者のお礼はどの程度するのかなど
葬儀形態や地域、宗旨・宗派によって
葬儀費用は大きく変わるので
単純な比較は無意味だと思います。
ちなみに第11回日本消費者協会調べ
によると葬儀の全国平均は
195.7万円となっています。
(葬儀費用121.4/寺院47.3/飲食30.6)
単純にこれを比較の対象とすれば
かなり良心的な葬儀社だと
思えるかもしれませんが
どのような形態の葬儀と比較して
費用が抑えられると言っているのか
確認する必要があります。
葬儀にいくらかけてもいいと思われて
いない場合は
打合せの際に葬儀社のアドバイスを
参考にしながらも
もう少しプランや祭壇はシンプルな
分でいいのではないか
そのオプションやグレードアップは
必要なのか考えるようにしましょう。
本来は事前に数社同じ条件で
合い見積もりを取り
相場を知っておくほうが
安心してその時を迎えられると
思います。