今回は十三宗派のひとつ
曹洞宗の開祖・道元について
簡単にまとめました。
道元は村上源氏直系であり
名門中の名門の出です。
幼いころに父母を亡くし
比叡山横川で出家した道元は
14歳で得度。
「仏法房道元」と名乗りました。
天台教学を学んでいた道元ですが
天台宗の教えに疑問を持ち下山。
禅宗の存在を知った道元は
臨済禅を建仁寺で学びます。
24歳の時に中国へ渡り
師を探す中で
曹洞宗の高僧であった如浄に会います。
門下に入った道元は
身心脱落の境地を得て
28歳の時に帰国します。
帰国後は以前いた建仁寺にて
「普勧坐禅儀」を著し
自身の伝える坐禅が真の仏法であるとし
すべての人にこれを勧めます。
その後、比叡山の僧による迫害等により
深草の安養院に身を寄せた道元は
説法と著述の日々を送ります。
教団の力が強まっていくなかで
再度比叡山からの弾圧を受けた道元は
越後に大仏寺を建て
のちに永平寺と改名します。
道元の思想は「只管打坐」
ただひたすら仏になりきって
仏として坐るそれが禅であるという
考え方でした。
また、末法思想や読経・念仏
真言宗や真言密教といったことを
否定し、道元はひたすら自力修行
に励みこの世において仏となることを
至上の目的としました。
権力者に近づくことなく
純粋で厳しい修行により
腫瘍が悪化したと伝えられ
54歳にてその生涯を閉じました。
大本山永平寺承陽殿にて道元は
まつられています。
ちなみに曹洞宗は権威に近づかず
下級武士や一般民衆の間に
臨済宗は鎌倉幕府の庇護のもと
上級武士層に広まったこともあり
「臨済将軍・曹洞土民」とも
いわれたそうです。